こんにちは、製材部の西岡です。
さて今回は、kokoti9月号「気になる木のお話」に掲載した記事を、ブログでもご紹介いたします。
木には、「元(もと)」と「末(すえ)」という区別があります。一本の木は根から空へ向かって成長します。
そのため、地面に近い根元側を「元(元口)」、梢(こずえ)に近い先端側を「末(末口)」と呼びます。
これは、木が立木として育っていたときの上下の向きを表す専門用語です。

木は伐採され、製材・乾燥を経て製品になった後も、湿気を吸ったり吐いたりしながら、わずかに伸び縮みを繰り返します。
そのため昔から大工さんは、この「元末」を意識し、それぞれの木の性質を見極めながら家づくりを行ってきました。
例えば柱は、昔から「元」を下にして建てるのが基本とされ、木が育ってきた向きを大切にする知恵として受け継がれてきました。
木を逆さに使うと「木が泣く」とも言われるほど、元末は職人にとって今も大切な考え方です。
「元」と「末」の確認方法
節での見分け方と、木目での見分け方があります。
【節での見分け方】

節の中心が寄っている方が末です。
【木目での見分け方】

木目の模様がタケノコ状の場合、模様の広がっている方が元。尖っている方が末です。
もちろん現在では、乾燥技術や加工精度の向上により、構造性能への影響は以前ほど大きくありません。
それでも、木の性質を理解し、適材適所で使うことは、今でも私たちの大切な仕事の一つです。
製材の際も、一本一本の丸太を見ながら元と末を確認し、用途に合わせて製材しています。
また、木目や年輪、節の出方などを見極めることも、良い木材づくりには欠かせません。
↑森林ツアーの製材工場見学で、木の性質や用途を説明。
木は工業製品とは違い、一つとして同じものがありません。
それぞれに個性があり、その特徴を活かしながら家づくりをすることが、木と長く付き合うための知恵でもあります。
壁の中に隠れてしまう柱や梁にも、一本一本に木が育ってきた物語があります。
そんなことを少し知っていただくと、木の家の住まいがこれまで以上に身近で愛着のある存在に感じられるかもしれません。

