斎藤真梨乃 自己紹介へ

ふくらの杜の気密・断熱改修

こんにちは!この3月は「春はもうすぐ」と思える暖かな日が増えた一方、季節外れの雪の日や急激に冷え込む日もあり、体調管理が難しい月でしたね。みなさんは風邪などひかれてはないでしょうか?

そんな3月某日の晴れの日、社員総出でふくらの杜の気密・断熱改修を行いました。

 気密・断熱改修の経緯

昨年7月のこと、木造建築の作り手たちが集う勉強会【MOKスクール】のクラブ活動で、ふくらの杜を対象に温熱性能の調査と改修提案をしていただきました。

▲気密測定の様子

▲サーモ測定の様子 赤=高温なので、屋根裏の表面温度が高いことが一目でわかりました。

 

ふくらの杜は昨年で竣工10年目。建設当時は今ほど「建物の温熱性能」への意識が低かった時代でした。

全開口にできる引き込み木製建具は、開け放てて気持ちがよいのですが、どうしても隙間が生じてしまいます。

気密測定の結果はC値=6.2㎠/㎡。今はC値が1.0㎠/㎡を下回るようにしていますので、比較するとかなり気密性が悪いことが分かりました。

断熱性については、全体的に今の基準を下回っており、建物の中でも特に高い性能が要求される屋根の断熱性が低いことがわかりました。

調査結果より、温熱性能の改善に向けて次の提案をいただきました。

【暖房期の対策】

  • 木製建具の隙間を塞ぐことによる気密性を改善する
  • 壁、屋根に断熱材を付加することによる断熱性を改善する
  • 開口部の内側にハニカムサーモスクリーンを設置する

【冷房期の対策】

  • 開口部の外側にすだれや緑のカーテンを設置する

そのような経緯で、この中で着手しやすいところから取り組むことになりました。せっかくなら社屋に愛着を持ってもらおうと、社員みんなで取り組むということになりました。

 

 実践

①気密改修

まずは木製建具を外すとところから。建具は重く、持ち上げたり移動したりするのは2人がかりでした。

建具の上部、下部に厚み9㎜のモヘアテープを取付け、タッカー(ホチキス)で固定しました。

召し合わせ(戸と戸が重なる部分)にも厚み4㎜のモヘアテープを取り付けました。

▲モヘアシール。厚みは4㎜、6㎜、9㎜があります。

▲モヘアを取り付けたところ

 

建具を戻す作業は想像以上に力のいる作業で、これは人手が多くて助かった!と思いました。

道具の使い方、力の入れ方、木の性質など、社員どうしで教え合う場面もあり、いい雰囲気でした。

誰かがあれこれ指示しなくても、各自がやることを見つけてテキパキ動き、力を合わせるときは息を合わせていて、流石だなと思いました。

モヘア取付け後。隙間を防いでくれています。

 

②断熱改修

断熱材としてISOVERの高性能グラスウール24Kを使用しました。開封前のお布団と同じようにパンパンに詰め込まれています。

本当は断熱材は屋根全体に付加したいところですが、今回は手始めに天井裏に敷きこむことにしました。

進入経路はロフトの上の点検口です…!

じゃーん!屋根裏への入口。

断熱材を敷きこむため、屋根裏の暗く、狭い中を進んで行きます。写真ではわからないですが、中は粉っぽく、動くとすごく暑い環境でした。この中に進んで行かれたのは野村さん、いつもメンテナンスで活躍されてる藤さん、新入の文元さん、そして社長…!

果敢に取り組んでくださり拍手です…!

点検口からふと横を見ると、いつも隠れて見れない接手(台持ち継ぎ)が。当時の大工さんが加工した形跡が見れてわくわく。

敷き込み終了後。お疲れ様でした…!

 

 まとめ

気密測定はまだ実施していませんが、体感としてはエアコンの暖気が室内に留まりやすくなったような気がします。

天井の断熱材の効果は、冬はもちろん、夏になってからどれくらい熱を防いでくれるかが楽しみなところです。

 

今回は何より、作業をする、実際に動くことの楽しさを感じましたし、また共同作業するときの社員のチームワークのよさを感じられました。このような取り組みをまた実施していきたいと思います…!

 

 

 


   

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