設計の北村です。

8月も終わりに近づいていますが、まだしばらくは残暑が続きそうですね。

 

さて今回は、4月より参加している「京都鴨川建築塾」のお話です。

 

設計者や職人が、「木の家」の設計手法とディテールを学ぶことを目的とした場で、今期で20年目を迎えられました。

 

実は5年前にも参加させていただき、その時はコロナ流行前だったので、京都で開催されており、実際の建築を体感する「フィールドワーク」と、講師の先生による「座学」の二部構成のプログラムでした。

 

フィールドワークでは、京都の伝統的な建築の見学、建築中の現場見学のほかにも浜松の工務店への日帰りフィールドワークなどの企画もあり、良い建築にたくさん触れることができました。

 

特に印象に残っているのが、京都の西本願寺の境内にある国宝「飛雲閣」の修復現場を見学できたこと。

飛雲閣は「金閣」「銀閣」とならぶ「京都三名閣」のうちのひとつ。

 

こけら葺き屋根の葺き替え工事の現場を見せていただきました。

 

薄いサワラの木の板を重ね合わせた、こけら葺きの曲線がとても綺麗で、伝統ある技術を間近で見ることができ、貴重な経験となりました。

 

修復後の飛雲閣。

多様な屋根の構成で、左右非対称なのに、調和がとれていて美しく見える・・・不思議な魅力を感じる建物です。

 

コロナ以降はオンラインでの開催に切り替えられ、フィールドワークも中止となっていましたが、フィールドワークは実際自分の目で見て、体感することの大切さを感じる良い機会。

再開された折には、またぜひ参加させていただきたいと思います。

 

さて、今期のプログラムは、講師の先生より出題される「設計演習」から始まり、「温熱環境」、「構造」、そして「造園」と一連の設計演習に取り組み、多角的に設計力を磨くため、一年かけて学びます。

 

今期最初の講師は、建築家の横内敏人先生。

 

横内先生の講義後に、設計課題の内容の発表がありました。

 

今回の設計課題のテーマは「多世代同居の家」。

若い世代で共働きが一般的になり、多世代が同居して大家族で住まう生活スタイルが再び見直されつつあるなか、リモートワークなど働き方の多様化などの時代背景もふまえ、多世代同居のための家を提案するというのが今回の課題テーマです。

 

二か月かけて計画を練り、中間講評を経て、最終講評に向けて計画案と模型を作成します。

提出する図面はCAD図面、手書き図面どちらでもよかったのですが、私は手書きならではの柔らかな雰囲気が好きで、温かみのある暮らしのイメージが伝わるといいなと思い、手書きで仕上げました。

 

 

先月、塾生一人ずつ自身の案のプレゼンを行い、先生にコメントをいただく講評会が行われました。

自分の順番が回ってくるまでの時間がとても緊張します。

 

ひとりひとり丁寧に講評くださった横内先生。

コメントも的確で、自身の案に講評いただけることはもちろん、他の塾生の方の案を見ることも、自分には思いもつかなかった考え方や視点など様々な発見があり、とても勉強になりました。

 

来月は今回設計した案を基に「温熱環境」を考える演習があります。

こちらもまた住宅を考えるうえで、切り離せない大切な要素のひとつです。

今期のプログラムは実務にも生かすことのできる充実した内容なので、しっかり学びたいと思います。

 

 

 


   

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