オール太陽エネルギー住宅への挑戦

地球温暖化の問題は、もはや実感できるほど他人ごとではなくなってきています。
脱炭素社会の実現に向けて、弊社がさらに何か出来ることはないかと考える中、長野県のラブ・フォレスト株式会社さんとの出会いがあり、オール太陽エネルギーによるオフグリッドシステムの導入の提案を受けました。
実施にあたっては、林野庁の令和3年度「地域内エコシステム」技術開発・実証事業の補助を受け、システムの導入と実証に共に取り組みました。

 

モデルハウス響の杜に設置した機器

 

遠隔監視「オンサイト」の導入

遠隔監視「オンサイト」よりリアルタイムでエネルギーモニターをご覧いただけます。※スマホの場合、時間がかかることがあります
(↓クリックしてご覧ください)

 

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オール太陽エネルギー住宅を開発する理由

家づくりをお考えの方は「ZEH(ゼッチ)」という言葉を目にしたことがあるかもしれません。ZEHとは、簡単に言うと「使うエネルギー≦創るエネルギー」になる住宅のことです。現在、エネルギーを創る目的で太陽光発電を搭載されている住宅が増えています。

今回の実証実験は、太陽光発電のみでの「オール電気」ではなく、太陽熱の「集熱パネル」と木質バイオマスの「ペレットボイラ」をプラスして給湯や暖房などの熱需要を現地や地域内でまかなおうというシステム開発のためのものです。

 

太陽光・太陽熱は、晴れた昼間や日照時間が長いときに活躍し、木質バイオマスはペレットをボイラで燃焼し夜間や冬に不足分を補う役割を持ちます。それらを統合して実用化できるシステムを開発しようという試みです。

ペレットの原料は木材。太陽エネルギーで育つ「木」を燃焼し熱エネルギーにするという意味で、「オール太陽エネルギー」による住宅を目指しています。


(↑室内に設置した4枚の温水パネルから放熱することで暖房しています。お風呂とシャワーもボイラの温水です)

 

設置機器

■ペレットボイラ:ハーガスナー(オーストリア)/型式:Nano-PK6/出力:6kWth(th:熱出力換算)/燃料:木質ペレット/サイロ:220㎏/用途:戸建て住宅の暖房と給湯
※ボイラ関係設計・施工:ラブ・フォレスト株式会社

■貯湯槽:コルディバリ(イタリア)/500L

■太陽熱集熱パネル:コルディバリ(イタリア)

■温水放熱パネルヒーター:コルディバリ(イタリア)

■太陽光パネル:カナディアンソーラー/出力:4kWe(e:電力換算)

■蓄電池:鉛バッテリー

※その他
■薪ストーブ:ハンターストーブ アスペクト8


(↑左から貯湯槽、ペレットボイラ、ペレットサイロ。6kWthのバイオマスボイラは国内最小クラスです)

 


(↑オフグリッド用に19.2kWeの蓄電池を設置。導入コストを低減するために鉛電池を使っています)

 

未来の子どもたちに何が残せるのか

近年自然災害の激甚化が進む中、この仕組みは住宅の防災・減災面でも自立する(エネルギーを自給できる)ことが期待できます。またバイオマスボイラを導入することで、実質CO₂を排出することなく熱源に利用でき、地球温暖化に大きく貢献できます。さらに、燃焼するペレットは地域の山の木を使うことで森林を守ることにもつながるのです。

太陽光と太陽熱、バイオマスの「統合型システム」はまだまだ普及しておらず、モニタリングシステムを組み込んだものは日本初のシステムです。

車もそう、テレビもそうでした。普及が進まないことには値段も最初は高いものです。この商品を売っていきたいとかではなく、未来の子どもたちに何が残せるか。
失敗は成功のもとということでチャレンジしています。

 

内保製材が考えるSustainableとは

2004年、内保製材が「感響の家」と名付けた家づくりを始めたのは、まさに「人と環境にやさしい」という持続可能な家づくりに特化すると決意したことが理由でした。
当時、すでに家づくりは、既製品のドアや建具、ビニールクロス張りなど、化学製品や工業製品でつくることがあたり前となり、地域の建具屋さんや左官屋さんなど職人の仕事が奪われ、地域でモノづくりが出来なくなってしまっていました。
例えば、地域の建具職人さんなら大きな工場の設備が無くても、地域の材料で建具をつくることが出来ます。その設備費や運搬にかかる燃料もコストもかかりません。
それを、わざわざ環境負荷のかかる方法でつくられたものを使っていたのです。

「これではマズイ」と気づき、そこから一気に方向転換しました。
地域の技と材を活かし、地域でモノづくりをすることで環境を守るとともに、地域でお金も回る。経済の地域循環がこの地域の暮らしを守り、住む人の健康を守る家づくりでなければいけないと。
それが内保製材が考えるSustainable。

響の杜が、環境問題とともに地域の職人の技を生かすことの大切さを感じ考える場所になれば嬉しく思います。

 

 

 

 

 

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