飯尾誠 自己紹介へ

設計の進め方 ~敷地の特徴を読む~

あっという間に二月も終わり…早いですね。

 

私事ですが、前回ブログ「冬の景色 ~琵琶湖のモン・サン・ミッシェル~」

を書いたあと、実は手術を受け入院しました…

 

年明け早々、激痛に襲われ救急外来へ駆け込み…二年前にも悩まされていた「あれ」が動き始めました。

病名は「尿管結石」です。

10ミリ程の結石が排出されず詰まってしまい、手術で取り除くことになりました。

この尿管結石、ほんとにとても痛いです! 世界三大激痛と言われるほどの痛さ…

無事に手術も終わり退院できましたが、もうこの病気にはなりたくありません。今後は食生活を見直します。

 

余談は終わり、今回は設計を進めるにあたって最も大切にしていること。

「敷地の特徴を読む」

敷地を読んで考えることはごく当たり前のことで、建物計画のとても重要な鍵になります。

しかし読み違えてしまったり、読まずに計画したりすると…

表の通りからリビングの中が丸見え、風通しが悪くジメジメしている、かっこよく大きな大開口を設けたものの

眩しすぎてカーテンを閉めっぱなし、外構が何もされずに周囲から孤立してポツンと一軒家など。

 

上の写真は、建物計画前の敷地写真。今月お引き渡しさせていただいたY様の敷地です。

古い民家を解体され、販売された土地になります。

 

敷地を見るときに心掛けていることは「敷地の最もいい場所」を見つけることです。

 

Y様の敷地は、

北側に広がる素晴らしい眺望がありました。(写真一枚目)

一方、南側には三階建ての集合住宅がそびえ建っているので日中は陰になりそう…(写真二枚目正面)

東側は空き地(草むら)で将来ひょっとしたら建物が建つことを想定。(写真二枚目右側)

西側には近接して立派な地域住宅が建っています。(写真二枚目左側)

 

この敷地における最もいい場所は…北側ですよね。

 

最もいい場所を活かすため、北側に家族が集まるリビング、ダイニング空間を配置。

広々した空間のどこからでも美しい風景を楽しむことができ、風を感じながら暮らせるように計画しました。

また、庭へと繋がるデッキテラスからは、大パノラマが広がります。

 

でも、北側の窓って一日中光が入らずに暗いんじゃないの?といった印象が多いのではないでしょうか。

実は北側の窓、太陽光が直接入ってくるわけではないですが、青空や太陽の光で照らされた風景やものが、

北側の窓を明るくしてくれます。

また、北側の窓は逆光にならずに、陽が当たった景色が綺麗に見えるんです。なので風景を切り取る借景に向いています。

 

正面はリビング南側の窓になります。

ロフトへと繋がる箱階段が少し目隠しかわりになっていて、集合住宅を眺めながらの暮らしにはならなさそうです。

明るさを補う「天窓」を今回は設置。柔らかな光が空間を照らします。

西側は隣家が近接しているのと西日対策で、窓を設けずに収納を兼ねた大きなテレビ台を配置しました。

 

今回の敷地は「借景」が特徴でしたが、敷地形状、方位、道路の位置や幅、隣の建物の状況など

同じ条件の敷地は一つとしてありません。また地域によっては建築基準法の制限が加わり、建築のプロにしか

分からない敷地の見え方もあります。

 

このように敷地の特性を分析して「この敷地だからこそ建てられる住まい」をご提案できるように計画しています。

 

 

あっ、そうです。言い忘れました。

引き続き、設計スタッフ募集してます!よろしくお願いします。

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